本日は土地の表題部の更正・変更の登記についてです。
電車での通勤時間や移動中のスキマ時間で回答できるボリュームです。
頭の体操にいかがでしょうか。
問1
抵当権の登記がある土地の地積に関する更正の登記の申請をする場合において、その土地の地積が減少するときは、抵当権者の承諾があったことを証する情報を提供しなければならない。
地積の更正の登記の申請には抵当権者等の承諾を必要としません。
ですので地積更正の結果、地積が増加したり減少したとしても抵当権者等の債権者の承諾書を添付する必要がありません。
問2
地図に表示された土地の区画又は地番に誤りがあるため、当該土地の所有権の登記名義人が地図の訂正の申出をする場合において、当該土地の登記記録の地積に錯誤があるときは、地積に関する更正の登記の申請を併せてしなければならない。
地図の訂正の申出に関して誤りがある場合は地積更正の登記の申請を合わせてしなければなりません。
これは不動産登記規則第16条2項で定められており地図訂正の測量の結果、地積に錯誤があれば地積更正登記をしなければならない点に注意ですね。
問3
地積に関する更正の登記の申請と合筆の登記の申請は、一の申請情報によって申請することができる。
地積に関する更正の登記と合筆の登記の申請は一の申請情報によってすることが出来ます。
問4
分筆の登記の申請をするに当たり、申請人が分筆線の位置を誤って申請してしまい、それぞれの地積が予定していた地積と異なってしまった場合には、分筆の登記がされた後の両土地について、地積に関する更正の登記の申請をすることができる。。
分割線が誤って登記されている時には分筆錯誤を原因とする分筆登記の抹消をすることが出来ます。
ですので一度形成された新しい土地は申請人の意図に反する形で分筆された場合でも、新しい土地を個別に地積更正するのでは無く、分筆錯誤で抹消して一からやり直すということになります。
問5
表題部所有者又は所有権の登記名義人は、登記されている地積と実際の地積が相違することが判明した日から1か月以内に、地積に関する構成の登記を申請しなければならない。
土地の更正登記は申請義務が課されていない登記になるので、地積に錯誤が判明したとしても1か月以内に登記を行わなければならないというものではありません。
今回の肢で出てきた抵当権者の承諾書と地図訂正に少し触れたいと思います。
実務ではなかなか触れることの無い「抵当権者の承諾書」。
これは表題部に関する登記で抵当権を一部抹消することができる登記で使用するものです。
「抵当権一部消滅承諾書」は主に下記のケースで使用することが出来ますが、
あくまで抵当権の一部を消滅するのであって全部は抹消することが出来ない点(例外あり)に注意です。
抵当権一部消滅承諾書を使用できる
① 土地分筆登記(抵当権付き土地を分筆する場合いづれか土地について抵当権を抹消出来ます)
② 建物分割登記(抵当権付き建物を分割する場合いづれか建物について抵当権を抹消出来ます)
③ 建物分割・合併登記(抵当権付き建物の付属建物を分割する場合、合併する建物について抵当権を抹消出来ます)
④ 建物分棟・分割(抵当権付き建物を分棟して分割する場合いづれか建物について抵当権を抹消出来ます)
⑤ 建物合体登記(合体登記は超例外で一部消滅では無く合体する抵当権付きの建物の抵当権を全て抹消出来ます)
次に実務では相当な根拠が無いとなかなか実現が難しい地図訂正です。
地図訂正の基本的事項をまとめたいと思います。
詳しくは不動産登記規則第16条でご確認ください。
申請人
地図と地図に準ずる図面ともに
当該土地の「表題部所有者」若しくは「所有権の登記名義人」又は「これらの相続人その他の一般承継人」が、
訂正の申出をすることが出来ます。
訂正が必要な場合
地図 ⇒ 区画又は地番に誤りがあるとき
地図に準ずる図面 ⇒ 土地の位置、形状又は地番に誤りがあるとき
申出方法
① 電子情報処理組織を使用して地図訂正申出情報を登記所に提供する方法(電子申出)
② 地図訂正申出情報を記載した書面を登記所に提出する方法(書面申出)
申出の結果、錯誤があるとき
地積更正登記を併せて申請しなければなりません。
択一問題記事は久しぶりの更新になりました。
これからは更新頻度をあげて、受験生皆様の電車通勤、お昼時間、就寝前の15分などの
スキマ時間の有効活用に役立てればと思っています。
お手隙の時間にご活用下さい。
最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは、また。
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