『全国農地ナビ』ブルーマップに記載のない農地の地番を特定する方法

全国農地ナビ活用法

こんにちは、ゆうぞうです。(@you3tips

 

本日ご紹介する

全国農地ナビ

土地家屋調査士業務でも大変重宝するサイトで、特にブルーマップだけでは所在の特定が難しい農地の調査でよく活用させていただいております。

大変便利なサイトですので、是非最後までご覧頂けると幸いです。

『全国農地ナビ』とは?

全国農地ナビTOP農業委員会が整備している農地台帳及び農地に関する地図について、公表可能な項目に関する農地情報をインターネット上で公開しているサイトです。

農業の担い手への農地集積・集約化を進めることを目的として情報の一元化を図っており、現在では全国の8割超の農地情報が公開されているそうです。

公開している農地情報

公開している情報は下記の項目となります。

閲覧可能な農地情報

  • 所在・地番・地目・面積
  • 農振法や都市計画法の地域区分
  • 所有者の農地に関する意向
  • 耕作者ごとに付番した整理番号
  • 賃貸借権等の権利の種類と存続期間
  • 農地中間管理機構の権利取得や転貸の状況
  • 遊休農地の判断と措置の実施状況
ゆうぞう

ゆうぞう
サイト閲覧で事前の役所調査がある程度省けるので大変助かります。

全国農地ナビの使い方

使用感も直感的な操作で必要な情報を確認できますので、決して難しくはありません。

操作手順

  1. 「地図から探す」には、都道府県→市区町村→大字 を選択し、 [地図]又は「大字名」をクリック
  2. 縮尺を大きくすると、地図上に農地の位置を示すピンが表示され、農地一筆を選択 すれば詳細な情報が見られます
  3. 地図上の農地ピンは、農地情報のラベル(ふきだし)表示や色分け表示を することが可能です
  4. 地図上の農地ピンは、条件を指定して絞り込むことも可能です

土地家屋調査士業務での利用であればの操作で現地付近の農地情報が確認できます。

詳しい使用法は農林水産省の資料が分かりやすいのご参照ください。

【土地家屋調査士業務での使用例】ブルーマップと地番が一致しない土地の地番特定手順

次は『全国農地ナビ』が実務で役立った実例(下公図51番の境界確定)をお話しします。

ゆうぞう

ゆうぞう
隣接農地がブルーマップと地番が異なった現場で地番特定が難しかったのですが、全国農地ナビの農地情報を確認したら一発だったという事例です。

測量の依頼を受けると法務局や市役所などの資料を集めますが、測量をする上で肝心なことは

測量地はどこ?

隣接地はどこ?

これをはっきりさせる、つまり測量する範囲を知ることだと思います。

土地の位置形状や所有者については法務局の

  • 公図(地図情報)
  • 登記簿(登記情報)

この2点を調べることで分かります。

1|測量地51番の公図を確認する

字限図_small

51番公図

測量地の所在・地番は分かっていることを前提に進めますが、51番土地の公図を取得したものが上図になります。

西・南・北の隣接地番が記載されていないことが分かると思います。

この場合公図1枚で隣接関係を把握することができません。

別図の公図が存在し、別図で管理している地番で再度公図を請求する必要があります。

別図の公図を請求するには隣接地番を知る必要がありますが、これはブルーマップを利用することで簡単に調べることが出来ます。

また住居表示実施地域でなければ、住所と地番が一致するので住所地で請求しても良いかもしれません。

ゆうぞう

ゆうぞう
ブルーマップとは『住宅地図』の上に、登記所備付の「公図」の内容を重ねあわせて印刷した地図で(株)ゼンリンで購入可能です。高価ではありますが大変便利な地図で法務局にも置いてあります。

2|ブルーマップから隣接地の位置関係を特定

ブルーマップ切取

ブルーマップ

ほとんど場合ブルーマップと公図閲覧で隣接地の位置関係は特定可能かと思われます。

上のブルーマップのオレンジ部分が測量地になりますが、西側隣接地に54と記載があるので、54番の公図を閲覧します。

字限図54

54番公図

上図が54番の公図ですが、北東側に「別図」記載があり、土地の形状なども考えるとココに51番の公図が入りることが分かります。

これでだいたいの隣接地が分かりましたが、まだ北側道路の一部と南側の点接の土地が特定出来ていません。

なので再度ブルーマップで道路を挟んだ北側土地の地番や南側の隣接地番を確認して再度公図を請求する流れになります。

ゆうぞう

ゆうぞう
公図→ブルーマップ→公図→ブルーマップの確認を繰り返し特定していきます

先程のブルーマップをみると北側には『23番1』南側には『52番』の地番が記載されているので、この所在地番で地図を請求します。

通常であればこれで公図の調査は終了です。

 

しかし本件の場合、実は北側、南側の農地が土地改良区の基盤整備によって第14条1項地図(土地改良所在図)が作成され法務局に備わっている地域でした。

つまりブルーマップが作成されてから地図が書き換えられているので、地番も新しく付され、土地の位置形状も昔とは異なります。

もちろん法務局へ赴き窓口で請求をかければ、多少時間はら、らわゃやたかかっても求める地図を出してくれますが、

事務所内だけで完結させようとした場合、

さて困った。

となります。

法務局や農業委員会、土地改良区などに確認することも出来ると思いますが、時間も手間もかかります。

しかしまだ手はあります。ここで大変役立つのが『全国農地ナビ』です。

役所へ足を運ぶ前に1度「全国農地ナビ」を確認してみましょう。

3|ブルーマップで特定できなくても「全国農地ナビ」なら可能かもしれません。

全国農地ナビでは当該地周辺の航空写真から農地を選択し農地情報を確認することが出来ます。

たとえば下図の黄矢印で示したポイントを選択するとページの下部に「所在地番、地目、都市計画区域などの情報が表示されます。

農地ナビ_項目2
ゆうぞう

ゆうぞう
とても簡単に公図請求で必要な所在地番が確認できます

地番が確認出来たら再度公図の取得し、地図のつながりを確認してみましょう。

取得した14条地図が下図になります。

14条地図_small

14条地図

 

地図の形状などを考慮すると163番の南側に先程の公図がはまることが分かります。

これで北側隣接地が『163番』南側隣接地が『165番』と特定することが出来ました。

最後に

農地が関わる土地の調査測量をおこなう際には『全国農地ナビ』のことを頭の片隅にいれておくと今回の案件のような資料調査で役立つ事があります。

特に農地の基盤整備をおこなった14条地図地域はブルーマップと地番が異なるケースが多いので、まだ『全国農地ナビ』を知らなかった方は是非ご活用ください。

それでは、また。

最後までお読みいただき有難うございます。
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